インプラント

2023.08.04

前歯のインプラントはなぜ難しい?理由や他の方法との違いなどを解説

前歯のインプラントはどうして難しいの?

インプラントの難易度は、歯の位置で変わることをご存知でしょうか。

特に前歯のインプラントは、他の歯と比べて難しいことで知られています。

口内の状態によっては、インプラントの前に骨再生治療や骨造成治療を行わなければならず、困難な場合歯科医院は断らなければならないこともあります。

では、なぜ前歯のインプラントは難しいのでしょうか。

この記事では、前歯のインプラントを検討している方向けに、前歯のインプラントについて詳しく解説します。

目次

 

前歯のインプラントが他の歯と比べて難しい理由

前歯のインプラントがどうして難しいのか

前歯のインプラントが他の歯と比べて難しいといわれる理由は、主に4つあります。

 

顎骨が薄い

前歯のインプラントが難しい理由として、顎骨の薄さが挙げられます。

奥歯側と比べて、前歯側の顎骨は薄い構造になっています。

前歯は食べ物を嚙み切る役割を持っており、奥歯のようにすり潰すことはありません。

噛む力をそれほど必要としないため、前歯側の顎骨は薄くなっているのです。

しかし、インプラントは、顎骨に人工歯根を埋め込むことで固定する必要があります。

その土台となっている顎骨が、人によっては十分な厚みがなく、埋め込むことそのものが難しい場合があります。

 

歯の中でも目立つ場所にある

前歯が、口を開けばすぐ見える場所に生えていることも、難しいといわれる原因です。

インプラントの前歯がほんの僅かズレただけで、見た人に違和感を与える原因になってしまうためです。

位置の調節は難しい問題で、顎骨に厚みが足りないと、人工歯根を埋め込む角度も限られます。

角度を合わせようと無理に埋め込めば、顎骨を突き抜けて副鼻腔に達してしまったり、貫通しないように浅くすれば、人工歯根の金属部分が露出してしまったりします。

前歯のインプラントは、優れた歯科医師がいなければまず難しい治療だといえるでしょう。

 

歯肉退縮が起こることがある

歯肉が縮む歯肉退縮も、前歯のインプラントを難しくしている理由の一つです。

本来なら、人工歯根のアバットメントと呼ばれる金属部分は、歯肉に隠れて見えません。

しかし、インプラント後に歯肉退縮が起これば、アバットメントが透けて見えることがあります。

あるいは、歯茎が下がって、アバットメントが露出するといった問題が起こり得るのです。

そのため、遊離歯肉移植術(FGG)のように歯肉を移植する手術ができる歯科医院でなければ、難しいといわれます。

歯肉退縮の原因はさまざまで、歯周病によって起こることもあれば、噛み合わせの変化で歯にかかる力が変わって起こることもあります。

また、歯肉退縮は加齢でも起こるため、年齢によっては前歯のインプラント治療を断られるかもしれません。

失った前歯を入れ歯やブリッジなどで補っていた場合には、歯肉退縮も起きやすくなっています。

 

費用が高額になりやすい

歯科医院ではなく、インプラント治療を受けたい方が難しいと感じるケースもあります。

インプラントは、保険が適用されず10割負担の自費診療になり、費用が高額になりやすいためです。

費用が高額になりやすい理由として、まず技術料や設備費などが挙げられます。

インプラントを成功させるには、専門的な知識と技術、そしてCTのような専用設備が欠かせません。

また、顎骨が薄い場合は、エムドゲイン ・GTR法のように骨を造成あるいは再生する治療(歯周組織再生療法)が別途必要です。

そのため、他の歯に比べると、前歯のインプラントは高額になりやすいという特徴があります。

 

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インプラント以外の治療方法

前歯が失われた際、必ずしもインプラントをおこなう必要はありません。

入れ歯やブリッジなどで補うことも可能です。

インプラント以外の治療方法はどのようなものがあるか、見てみましょう。

 

入れ歯

入れ歯は、取り外し可能で、歯が1本失われたケースから全ての歯を失ったケースまで対応できるのが特徴です。

保険適用となるため、インプラントと比べると、費用の問題を解決しやすいというメリットがあります。

前歯のみを失った場合は、部分入れ歯となるのが一般的で、他の歯に金属の留め具を取り付けて固定します。

金属の留め具で固定することから、他の歯を傷つけることはないものの、負担を与えてしまうのがデメリットです。

また、固定力が十分でないため安定しにくく、噛む力が弱い、発音がしづらいといったこともデメリットとして挙げられるでしょう。

金属の留め具が見えてしまうため、気になる方は自費診療の入れ歯を検討した方が良いかもしれません。

 

ブリッジ

ブリッジは、1~3本など、部分的に歯が失われたときに対応できるのが特徴です。

失われた歯に隣接している歯を数ミリ削り、その歯に被せ物をして人工歯の支えとします。

固定式でずれることがないため、噛む力をそれなりに発揮でき、発音もしやすいです。

金属部分が露出しないため、審美性も高いといえます。

入れ歯と同様に保険適用となるため、費用が気になる方にとってもメリットといえるでしょう。

ただ、隣接している歯の負担が大きいというデメリットがあります。

隣接している歯を利用して固定することから、噛んだ際の負担は隣接する歯に集中します。

また、健康な歯であっても削ってしまうため、隣接している歯がむし歯になりやすいといったこともデメリットとして挙げられるでしょう。

 

前歯のインプラントにはどのようなメリットがある?

前歯インプラントのメリットとは?

状況によっては、前歯の代わりを入れ歯やブリッジで対応できます。

それでもインプラントが選ばれているのは、下記のようなメリットがあるからです。

 

高い審美性がある

インプラントは、高い審美性を備えています。

個人に合わせて設計された、セラミックの人工歯を用いるためです。

セラミックの人工歯は、細かく色の調整ができ、仮歯も使いながら、その方に合った形の人工歯が作製されます。

そのため、色も形も天然歯に近い、違和感のない人工歯ができあがるのです。

また、金属部分が露出しないのも、審美性に貢献しています。

人工歯根やアバットメント部分は金属ですが、大半は歯肉や顎骨に埋まり、その上からは人工歯を被せます。

そのため、入れ歯のように金属部分が露出せず、自然な仕上がりを目指せるのです。

 

違和感が少なく、しっかり噛める

インプラントは、噛んだ際の違和感が少なく、しっかり噛めるというメリットがあります。

インプラントの人工歯根は、天然歯と同様に顎骨から固定されるためです。

安定して噛めるだけでなく、顎にまで力が加わることから、天然歯に近い噛み心地が感じられるでしょう。

人工歯根には、チタンが使われることが一般的です。

チタンは骨とくっつきやすいため、他の金属と比べるとより固定力が高いといえます。

また、金属アレルギーも起こしにくいという、体と相性が良い金属です。

また、CTのような専用設備を使って人工歯が設計されるため、噛み合わせが合わないといったことも防げます。

 

他の歯を傷つけずに済む

インプラントは、他の歯に負担をかけることも少ないというメリットがあります。

インプラントの歯は独立しており、他の歯を支えにする必要がないためです。

ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削って被せものをするため、少なからず両隣の歯に負担をかけてしまいます。

前述したように、健康な歯がむし歯や歯周病にさらされるリスクもあります。

入れ歯も、金属を他の歯に引っかけて固定することが多いため、失われた歯を支える負担を与えてしまうものです。

インプラントは、人工歯根の固定のために、歯肉を切開して顎骨に埋め込むという手術を行いますが、その際に他の歯を傷つける必要がありません。

 

長寿命で長く使える

手術をした後も長く使えるということも、インプラントのメリットとして挙げられます。

インプラントは、人工歯根やアバットメントなど金属部分は主にチタンで、人工歯はセラミックでできています。

メーカーは10年程度を寿命としていますが、それぞれが劣化しづらい素材であることから、大切に扱えばより長く使えるようになっているのです。

素材にもよりますが、安価な素材でできた入れ歯やブリッジでは、5年ほどしか保てないこともあります。

ただ、天然歯のようにむし歯になることはないものの、インプラントはメンテナンスが大切です。

優れた素材が使われていても、インプラント周囲炎の心配はゼロではないため、定期的に歯科医院に通い、歯とインプラントの状態を確認する必要があります。

 

前歯のインプラントにかかる費用は?

インプラントは1本あたり30万~40万円ほどが目安ですが、自費診療のため、歯科医院によって費用が異なります。

保険適用の治療は、治療内容と診療報酬点数の定めがあるため、基本的にどの医療機関でも同じ内容かつ同額です。

しかし、保険適用外の自費診療は治療内容について定めがなく、金額についても歯科医院に任せられています。

そのため、歯科医院によっては1本20万円というところも、1本80万円というところもあるのです。

そのままだと前歯のインプラント治療に臨めず、骨造成や骨再生などがある場合は、プラスで数万円ほどかかります。

ティコニーデンタルオフィスでは、1本あたり45万円ですが、2本目以降は1本あたり25万円です。

なお、基本的にインプラントは保険適用外の自費診療ですが、事故による欠損のように条件を満たせる場合は、保険適用されることがあります。

 

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前歯のインプラントに必要な期間

インプラントにかかる期間は、3~6ヶ月程度が目安です。

このように長い期間かかるのは、主に人工歯根のチタンと顎骨の結合を待つ必要があるためです。

インプラントは、人工歯根を埋め込む1次手術と、アバットメントを装着する2次手術に分かれています。

1次手術で、顎骨に人工歯根を埋め入れた後は、人の治癒力に応じて2~6ヶ月ほど待たなくてはなりません。

そのため、カウンセリングや精密検査などを行い、最終的に2次手術を終えるまでにはそれだけの時間が必要になります。

なお、前歯のインプラントは骨造成や骨再生の治療を行うことがあるため、その場合は1年以上かかることもあります。

 

前歯のインプラントを行う際の注意点

前歯のインプラントに関する注意点について

前歯のインプラントを成功させるために、注意したいことがいくつもあります。

その中でも特に下記の大事な3点について、インプラントを申し込む前に確認しましょう。

 

信頼できる歯科医院に任せる

インプラントは、信頼できる歯科医院を選ぶことが肝心です。

口を開けばすぐ見えることもあり、前歯のインプラントは、失敗が許されません。

以前のようにしっかり噛みたい、人前でもまた自然に笑いたいなど、インプラントに望むことは多いでしょう。

しかし、手術の難易度は高く、失敗のリスクがあります。

そのため、技術のある歯科医師が在籍しており設備も整っているなど、信頼できる歯科医院を選ぶ必要があります。

 

定期的にメンテナンスに通う

インプラントを行った後は、定期的にメンテナンスに通うようにしましょう。

前述の通り、インプラントはむし歯にはなりませんが、インプラント周囲炎を起こすことはあり得ます。

また、噛み合わせが変わるなどすると、人工歯に負担がかかって割れてしまうこともあるかもしれません。

インプラントに適切な状態を保つためにも、定期的にメンテナンスを受けるようにしてください。

 

治療中やその前後は喫煙しない

インプラントの治療中はもちろん、治療の前後も喫煙は避けましょう。

なぜなら、インプラントが抜け落ちる原因の一つに、喫煙が挙げられるためです。

タバコのニコチンは、血流を悪くしてしまう他、酸素供給を妨げます。

1次手術後は、顎骨と人工歯根が結びつくまで待つ必要がありますが、喫煙により治癒力が下がると、結合の妨げになります。

また、治療後の喫煙も、免疫力を落とすためインプラント周囲炎を起こす原因になり得るのです。

インプラント治療を機に、ぜひ禁煙も考えてみてください。

 

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前歯のインプラントのご相談はティコニーデンタルオフィスへ

この記事では、前歯のインプラントが難しい理由や、他の治療法との違いなど、前歯のインプラントについて詳しく解説しました。

前歯のインプラントは、他の歯に比べて難しいといわれます。

満足できる結果を収めるためにも、特に大切なことは、歯科医院を適切に選ぶことです。

ティコニーデンタルオフィスでは、日本口腔インプラント学会専修医の資格を持った歯科医師がインプラントを担当します。

また、歯科用設備としてCTを備えており、安定性の高いインプラントシステム「アストラテックインプラントシステム」を採用しています。

他の歯科医院で断られた前歯のインプラントでも、お受けできる可能性がありますので、前歯のインプラントでお悩みの方は、ぜひ一度ティコニーデンタルオフィスにご連絡ください。

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