セラミック

2023.08.04

セラミックの歯は30年後どうなる?寿命と長く使うためのポイント

セラミックの歯は30年後も使える?

セラミックの詰め物や被せ物は、保険適用外になることが多いです。

費用が高額になりやすいため、ためらっている方もいらっしゃるでしょう。

そこで気になるのが、コストパフォーマンスではないでしょうか。

セラミックが30年後でも使えるのであれば、多少高くても満足できるはずです。

ここでは、セラミックの基本や寿命、長く使い続けるためのポイントなどについて詳しく解説します。

目次

 

セラミックとは

セラミックとは、歯の治療に用いられる素材の一つです。

セラミックは「人為的に製造された、非金属の無機化合物素材」を意味するため、身近なものの多くが該当します。

例えば、陶器や磁器のような焼き物、ガラスや人工宝石、カーボンファイバーや人工骨などもセラミックです。

歯科医院では歯の欠けた部分を補う「詰め物(インレー)」や、「被せ物(クラウン)」として用いられています。

これらのセラミックは、天然歯に近い見た目と透明感を持っているのが特徴です。

また、耐久性にも優れており、非金属製であることから金属アレルギーの心配がないといったメリットがあります。

セラミックは、オールセラミックやジルコニアセラミックなど、さまざまな種類があります。

参考:公益社団法人 日本セラミックス協会「セラミックスとは?

 

セラミックの寿命とは?

セラミックの寿命について

歯科医院で用いられるセラミックは、経年劣化を起こしにくい素材でできています。

そのため、明確な寿命がなく、場合によっては30年後でも使える可能性があります。

ただ、平均でいえば、セラミックの寿命は8年ほどです。

なぜなら、種類によって耐久性が違い、個人での扱い方も異なるためです。

ある日、割れたり欠けたり、外れてしまうことがあり得ます。

もちろん、8年で必ず使えなくなるわけではなく、10~20年を過ぎて交換する方も珍しくありません。

特に影響があるのは、セラミックの扱い方です。

セラミックを長く使用したい方は、口腔内を清潔に保ち、セラミックに負担を与えすぎないように心がける必要があります。

 

参考文献:口腔衛生学会雑誌Journal of Dental Health 45,788〜793 〔1995〕「歯科修復物の使用年数に関する疫学調査

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他の歯の寿命は?

セラミック以外に使う被せ物や詰め物といえば、銀歯やレジンなどがあります。

銀歯は、銀だけでなく、パラジウムや金など複数の金属が使われている合金です。

レジンは樹脂全般を指す言葉で、歯科医院で一般的に使うレジンは、コンポジットレジン(CR)と呼ばれる合成樹脂がほとんどです。

いずれも保険適用となり、セラミックより安い費用で治療が行えることから、選ばれています。

 

銀歯の平均寿命は5~7年ほどで、レジンの平均寿命は5年ほどです。

一般的にセラミックより短く、扱い方次第では、もっと寿命が短くなることもあります。

銀歯の熱膨張係数は天然歯と違うため、温度差でできた隙間から菌が侵入したり、外れてしまったりということがあります。

また、レジンはセラミックよりも強度が低く、割れたり欠けたりしやすいです。

 

引用文献:Sailer I, Makarov NA, Thoma DS, Zwahlen M, Pjetursson BE. All-ceramic or metal-ceramic tooth-supported fixed dental prostheses (FDPs)? A systematic review of the survival and complication rates. Part I: Single crowns (SCs). Dent Mater. 2015 Jun;31(6):603-23.

参考文献:口腔衛生学会雑誌Journal of Dental Health 45,788〜793 〔1995〕「歯科修復物の使用年数に関する疫学調査

割れや欠けなどセラミックにトラブルが起きる原因

上述の通り、セラミックの寿命は銀歯やレジンよりも長いです。

しかし、割れや欠けが生じたり、抜けてしまったりといったトラブルが起きることがあります。

ここでは、その原因について解説します。

 

歯ぎしりや食いしばり

セラミックに割れや欠けが発生する主な要因として、歯ぎしりや食いしばりが挙げられます。

歯ぎしりは、歯を強く噛んだまま前後や左右に顎を動かすものです。

そのため、セラミックを消耗させてしまいます。

食いしばりの場合は、縦一方向に強い負荷を与え続けてしまうことで、割れや欠けを引き起こします。

それでいて、歯ぎしりや食いしばりの最中は、通常の数倍の力で噛み締めてしまうことから、負担も大きいのです。

どちらも、集中しているときや就寝中のように、無意識に行われることが多いです。

就寝中のように意識がない場合はともかく、起きている最中に強く噛んでしまう癖を持っている方は意識して避ける必要があります。

 

顔に衝撃を受ける

顔に強い衝撃を受けることも、セラミックにトラブルが起きる原因です。

例えば、不注意で顔をどこかにぶつける、交通事故に遭う、転倒するなどが原因として挙げられます。

スポーツを好んでいる方だと、激しい運動の最中、ボールが顔面に当たってしまうようなこともあるでしょう。

ボクシングや空手などでも、同様のことが起こり得ます。

衝撃そのものがセラミックの損傷を引き起こすこともあれば、反射的に食いしばったことで、割れたり欠けたりしてしまうこともあります。

 

噛み合わせの変化

セラミックの割れ欠けが起こる原因としては、噛み合わせの変化も挙げられます。

噛み合わせが変わると、歯への力のかかり方も変わってしまうためです。

噛み合わせが変化する原因はさまざまで、加齢や歯周病、他の歯科医院で治療を行ったことなどが挙げられます。

例えば、加齢によって歯肉退縮が起こると、歯茎全体が下がって噛み合わせも変化します。

歯周病になった場合は、歯茎が弱り、力のかかり方のバランスが崩れてしまうことがあるでしょう。

セラミック治療を行った歯科医院とは別の歯科医院で治療を行った場合も、歯科医院全体でカルテが共有されていないため、噛み合わせにズレが生じることがあります。

セラミックの被せ物や詰め物をした時点では、適切な噛み合わせになるよう調整されています。

しかし、上記のような理由から、噛み合わせが変わることがあるのです。

 

歯周病によって抜けることも

セラミックが割れたり欠けたりしなくても、歯周病により、土台となる歯が抜けてしまうこともあります。

歯周病は、細菌が溜まって起こる初期症状の歯肉炎から、やがて歯周炎へと進行します。

歯周炎は歯茎を弱らせるだけでなく、歯の根元部分にあたる歯槽骨や顎骨を溶かしていってしまうのです。

軽度の歯周炎では、表面上は歯茎から出血が見られる程度ですが、症状が進行すると歯がぐらつき、やがて自然に抜け落ちてしまいます。

歯周病の進行は、さまざまな要因があります。

具体的には、歯のメンテナンスが適切に行われていない、生活習慣が乱れている、喫煙によって歯茎がダメージを受けているなどです。

 

セラミックを30年後まで使い続けるためのポイント

セラミックを使い続ける5つのポイント

セラミックの歯を30年後まで使い続けるために、下記のポイントを気にしてみてください。

ここでは、ポイントを5つご紹介します。

 

適切な歯科医院を選ぶ

セラミックを長く使うために欠かせないのが、歯科医院選びです。

どれだけ高品質なセラミックが使われていても、雑に取り付けられていれば、すぐ外れてしまいます。

セラミックの歯が外れないようにするには、土台となっている天然歯とセラミックの間に隙間があってはいけません。

確かな技術を持つ歯科医師、歯科技工士などが所属する歯科医院を選ぶ必要があります。

 

丁寧にセルフケアを行う

むし歯や歯周病のような口内のトラブルを避けるためにも、日頃から丁寧にセルフケアを行うことが大切です。

セラミックはむし歯や歯周病になりませんが、土台となる天然歯はそうではありません。

むし歯になればセラミックとの間に隙間ができたり、歯周病になればセラミックを被せた歯が抜け落ちたりすることもあります。

セラミックは汚れが付着しにくく、歯茎が下がることを避けるためにも、力を入れず丁寧なブラッシングを心がけてください。

歯間ブラシなども用いて、時間をかけてケアを行いましょう。

特に、歯間ブラシの使い方は、歯科医師や歯科衛生士に従うのがおすすめです。

例えば、天然歯とセラミックの間に歯間ブラシを差し込んでしまうと、強い力が加わった際、セラミックが外れるおそれがあります。

 

定期的に歯科医院に通う

セラミックを長く使い続けたいのであれば、定期的に歯科医院に通うようにしてください。

自分ではセルフケアができていると思っていても、必ずそうとは限りません。

十分なセルフケアができていなければ、むし歯になってしまいます。

それにより天然歯とセラミックの間に隙間ができると、セラミックの被せ物や詰め物が外れてしまうことがあるのです。

そのため、半年に一度は、必ず歯科医院でメンテナンスを受けるのがおすすめです。

歯科医院でクリーニングを行えば、日頃のセルフケアでは取りきれなかった歯垢や歯石を除去でき、歯磨きの指導なども受けられます。

また、歯ぎしりや食いしばりは、ボトックス注射のように、歯科医院で治療できる場合もあります。

 

マウスピースで歯を保護する

セラミックの歯を守るために、マウスピースで保護することも考えてみてください。

歯ぎしりや食いしばりなどは、就寝しているときや集中しているときなどに行われることが多いです。

起きているときは意識的に顎の力を緩めれば良いですが、就寝中のように無意識の状態では、歯ぎしりや食いしばりを止めることは難しいでしょう。

そのような場合は、マウスピース(ナイトガード)をつければ、セラミックの歯を保護できます。

スポーツを趣味にしている方にとっても、スポーツ用のマウスピース(マウスガード)を使う対策は有効です。

 

噛み合わせを歯科医院で相談する

噛み合わせに違和感がある場合は、歯科医院でのメンテナンス時に相談するのがおすすめです。

定期的に歯科医院に通っていれば、ついでに診てもらうことができます。

噛み合わせは、歯を削って高さを調整する「咬合調整」や、歯を修復や補填を行う「補綴治療」などによって治療ができることがあります。

歯科医院によっては、矯正治療によって噛み合わせを調整することも可能です。

ブラッシングの仕方が悪くて歯茎が痩せてしまっている場合には指導を受けられ、むし歯や歯周病のように原因によっては対処可能なものもあります。

何かあれば、気付いた段階でなるべく早く相談することを心がけてください。

 

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ティコニーデンタルオフィスで扱うセラミックの種類

ティコニーデンタルオフィスのセラミックとは?

ティコニーデンタルオフィスで扱っているセラミックの特徴と、それぞれの費用についてご紹介します。

 

オールセラミック

他の素材と混合することなく、全てが単一のセラミックで構成されたものをオールセラミックと呼びます。

多くは陶器と同じ材質で、経年劣化が少ない、汚れが付きにくいなど、さまざまなメリットを持っています。

ティコニーデンタルオフィスのオールセラミッククラウンは、100,000円から利用可能です。

 

ジルコニアセラミック

外側にセラミック、内側にジルコニアを用いたセラミックです。

ジルコニアはダイヤモンドと同じ材料で作られることから、人工ダイヤモンドといわれます。

高い強度と審美性を兼ね備えた素材で、噛む力が強い奥歯に使用することが多いです。

ティコニーデンタルオフィスのジルコニアクラウンは、150,000円から利用できます。

 

ハイブリッドセラミック

レジン樹脂(コンポジットレジン)とセラミックを組み合わせたものをハイブリッドセラミックと呼びます。

適度な柔らかさを備え、保険適用の素材を用いていることから比較的安価という特徴があります。

強度が高くないことから、前歯に使われることが多いです。

ティコニーデンタルオフィスのハイブリッドセラミックは、セラミックインレーとして、25,000円から利用できます。

 

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セラミックでお悩みの方はティコニーデンタルオフィスへ

この記事では、セラミックの寿命、割れ欠けを起こす原因や、長く使い続けるための対策などについて、詳しく解説しました。

セラミックの平均寿命は8年で、10~20年で交換される方が多くいらっしゃいます。

30年後まで使えるかどうかは、セラミックをどれだけきちんと扱えるかによるところが大きいです。

歯科医院選びからはじめ、丁寧なセルフケアやマウスピースでの保護などを行えば、長く使い続けられるでしょう。

ティコニーデンタルオフィスでは、高品質なセラミックの被せ物や詰め物などをご用意しています。

また、セラミックは、必ずしも保険適用外になるわけではありません。

保険適用になるケースもありますので、費用が気になっている方は、ぜひご相談ください。

 

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