歯ぎしりをすると、歯がすり減ってしまったり痛みが生じたりと、様々な弊害が現れます。
今回は、歯ぎしり対策にマウスピースを使用するメリットやデメリットについて解説します。
マウスピースの種類やそれぞれの特徴、お手入れ方法も併せてご紹介しますので、歯ぎしりに悩んでいるという方はぜひ参考にしてみてください。
歯ぎしりにマウスピースを使用するメリット
歯ぎしり対策には、マウスピースが有効だといわれています。
マウスピースを使用すると、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。詳しく解説します。
夜間の歯ぎしりを確認できる
歯科医院で歯の状態をチェックすれば、その方が歯ぎしりをしているか否か、すぐにわかります。
しかし、患者様の中には歯ぎしりをしている自覚がなく、自身がどの程度歯ぎしりをしているのか知りたいと思う方も少なくありません。
そんなときに役立つのが、マウスピースです。
マウスピースを装着している状態で歯ぎしりをすれば、マウスピースが傷ついたりすり減ったりします。
その度合いを見れば、意識のない眠っている間にどの程度歯ぎしりをしているのかがわかるのです。
治療に向かう気持ちを高めたり、歯ぎしりへの対策方法を考えたりできるので、まずはマウスピースを使用して歯ぎしりの度合いを調べてみると良いでしょう。
歯への負担を軽減
マウスピースを装着すれば、厚みの分だけ噛み合わせが高くなり、歯ぎしりで歯にかかる力を弱めることが可能です。
歯をしっかりと噛み合わせると強い力がかかりますが、歯と歯の間にマウスピースを挟むことで、クッションのような役割を果たします。
隙間ができる状態になることから、歯にかかる強い力を軽減できるという仕組みです。
歯がしっかりと噛み合わなくなることで、顎の力を抜いたようなリラックス状態に近付くでしょう。
歯のすり減りを防止
歯ぎしりをした際に歯にかかる負担は、ご自身の体重と同程度か、それ以上だといわれています。
無意識のうちに歯ぎしりを行っている場合、人によっては300kg程度の力がかかることもあるのです。
日常的に歯に数百kgもの負担をかけ続ければ、歯がすり減ったり痛みが出たりするのは当然だといえるでしょう。
マウスピースの素材は人の歯よりも柔らかいため、装着すれば緩衝材のように歯を守ってくれます。
歯ぎしりを行ってもすり減るのはマウスピース部分だけであって、ご自身の歯がすり減ることはありません。
歯の状態が気になるという方は、歯ぎしり対策にマウスピースを使用すると良いでしょう。
歯の噛み合わせを整える
マウスピースを使用するメリットは、歯ぎしりによる歯への負担を軽減できるという他にも、噛み合わせを調整できるという点が挙げられます。
子供の頃にどんなに噛み合わせが整っていても、年齢を重ねると少しずつ噛み合わせが悪くなってしまうものです。
噛み合わせが悪くなると、食事がしにくくなったり、発音がしにくくなったりという問題が起こります。
また、体全体が歪んでしまい、悪化すれば頭痛や肩こりといった、歯以外の部分でもトラブルが発生するでしょう。
歯科医院でマウスピースを作製すると、噛み合わせが整うようにマウスピースの形を調整することができます。
歯ぎしり対策だけでなく噛み合わせも整えたいという方は、マウスピースの使用を検討してみてください。
歯ぎしりにマウスピースを使用するデメリット
歯ぎしりにはマウスピースが有効ですが、デメリットも存在します。
実際に使用する前に、メリットと併せてデメリットも把握しておきましょう。
定期的なメンテナンスが必要
マウスピースは、一度作製すれば永続的に使用できるというわけではありません。
使用を続けるうちにすり減ってしまったり、噛み合わせがズレて歯に合わなくなってしまうことがあるため、定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける必要があります。
メンテナンスを受ける周期は人によって異なりますが、3~4ヵ月に1回行うのが一般的です。
マウスピースの調整を行うと同時に、噛み合わせを確認してもらったり、歯科検診を受けて歯石を除去してもらったりすると良いでしょう。
マウスピースの持ちをよくするためにも、歯科医院だけでなく自宅でも毎日セルフメンテナンスを行うことが大切です。
慣れるまでに時間がかかる
慣れるまでに時間がかかるというのも、マウスピースを使用する上でのデメリットだといえます。
マウスピースを使い始めてすぐの頃は、歯に馴染まずに違和感や不快感を抱きやすく、人によっては痛みを感じることもあるでしょう。
しかし、2週間程装着を続ければ、マウスピースの装着感に慣れて次第に違和感や不快感がなくなります。
2週間以上経過しても慣れない、痛みを感じるという場合は、歯科医院で調整をお願いしてみましょう。
コストがかかる
歯ぎしり対策に使用するマウスピースは、既製品を購入するのではなく、ご自身の歯や噛み合わせに合ったものを作製してもらわなければなりません。
また、マウスピースを作製した後にも、その方に合うように細かい調整を行う必要があります。
マウスピースの作製やメンテナンス、診療代といったコストがかかることも、デメリットの一つだといえるでしょう。
しかし、マウスピース治療を行う場合、保険適用が認められるため費用負担が大きくなることはありません。
費用が心配だという方は、どの程度の費用がかかるのか、一度歯科医院に相談してみると良いでしょう。
歯ぎしり用のマウスピースとは?
マウスピースにはいくつか種類があり、それぞれ特徴があります。
歯ぎしりへの対策にはどのようなマウスピースが適しているのでしょうか。
マウスピースの種類と特徴
歯ぎしり用のマウスピースは、大きく分けると「ソフトタイプ」と「ハードタイプ」の2種類存在します。
シリコンで作る「ソフトタイプ」は柔らかいマウスピースで、装着したときに違和感が少ないという点が特徴です。
マウスピースを初めて使用するという方でも気軽に試せるというメリットがある一方で、耐久性が低く、むし歯になりやすいというデメリットもあります。
レジンで作る「ハードタイプ」は硬いマウスピースで、しっかり歯を守れるという点が特徴的です。
硬さがある分、耐久性に優れているというメリットがあるものの、「装着したときに違和感を強く感じる」、「歯にぴったりと合わせることが難しい」といったデメリットがあります。
歯科医院では、ソフトタイプよりもハードタイプを推奨していることが多いですが、どちらが合っているとは一概にはいえません。
ソフトタイプとハードタイプ、どちらを選択すれば良いのかわからないという方は、歯科医院へご相談ください。
歯ぎしり用と歯科矯正用マウスピースの違い
マウスピースといえば、歯列矯正を思い浮かべる方もいるでしょう。
「インビザライン」のようにマウスピースを用いた歯列矯正方法もありますが、歯ぎしり対策に使用するマウスピースとは異なるタイプが採用されています。
歯列矯正用のマウスピースには、0.5mm程度しかない薄いタイプが採用されますが、歯ぎしり用のマウスピースには、1~2mm程度ある厚いタイプが採用されます。
歯ぎしり用のマウスピースには歯のすり減りを防ぐ目的があるため、歯列矯正用のマウスピースよりも厚みがあるのです。
このように目的によって使用するタイプは異なるため、マウスピースを使用したい場合は、歯科医院に相談してご自身に合ったものを作製してもらうことをおすすめします。
マウスピースのお手入れ方法
口に入れるマウスピースは、常に清潔に保つ必要があります。
マウスピースのお手入れをする際には、以下の点に注意してください。
・洗浄に熱湯は使用しない
・歯ブラシで洗浄する際には優しくこする
・歯磨き粉ではなくマウスピース専用の洗浄剤を使用する
マウスピースの特徴として、熱に弱く、熱湯をかけると変形してしまうという点が挙げられます。
清潔に保つことは大切ですが、煮沸消毒や熱湯消毒は避けましょう。
洗浄をする際には水やぬるま湯を使用して、歯ブラシで優しくこすります。
力を込めるとマウスピースが傷ついてしまうので、柔らかい歯ブラシで優しくこすってください。
歯と同様に歯磨き粉を使用したくなりますが、研磨剤が入っている歯磨き粉でこすると、マウスピースが傷ついてしまいます。
歯ブラシで擦るだけでも汚れは落ちますが、洗浄剤を使用したい場合は、研磨剤が入っていない歯磨き粉やマウスピース専用の洗浄剤を使用しましょう。
歯ぎしりに関するお悩みはティコニーデンタルオフィスへご相談ください
マウスピースを使用することで、歯ぎしりで生じる様々なトラブルを解消できます。
歯ぎしりに悩んでいるという方は、マウスピースを用いた対策を検討しましょう。
歯ぎしりに関するお悩みは、ティコニーデンタルオフィスへご相談ください。
患者様にぴったりのマウスピースを作製して、痛みや歯のすり減りといったトラブルの解消を目指します。