痛みがなくとも、歯茎が赤いと何らかの病気ではないかと不安になります。
赤みがある場合は、色が変わるだけでなく、他の症状も同時に起こっている可能性が高いです。
歯茎に異変を感じたら、歯科医院へ相談しましょう。
今回は、歯茎が赤い原因として考えられる病気や治療方法、応急処置方法をご紹介します。
歯茎が赤いと起こりやすい症状
赤みが生じると同時に、歯茎にはどのような症状が現れるのでしょうか。
歯茎が赤いときに起こりやすい症状をいくつかご紹介します。
かゆみを感じる
赤い状態の歯茎を放置していると、かゆみや痛みを感じることがあります。
歯周ポケットで細菌が繁殖することで起こる症状で、歯周病が発生していると考えられます。
歯周病の初期段階であれば、歯茎をマッサージするように丁寧にブラッシングを行えば、1週間程度で改善が見込めるでしょう。
1週間を過ぎても改善できない場合は、歯科医院を受診してください。
歯茎にかゆみを感じる場合は、歯周病だけでなくむし歯が発生していることもあります。
むし歯の影響で歯茎や神経に炎症が広がっている可能性があるので、歯茎にむずがゆさを感じるという方は、早急に歯科医院を受診してください。
出血が起こる
歯周病が進行して歯周ポケットが深くなると、歯茎が赤くなるだけでなく出血を伴う場合があります。
硬いものを食べたり、ブラッシングの刺激を受けたりすると出血することが多く、同時に腫れが起こることもあるでしょう。
歯周病や外的刺激が原因で出血することもありますが、ストレスや体調不良などで免疫力が低下しているときには、歯茎に炎症が起こって出血することもあります。
出血がみられた場合は、しっかりと休息を取って体の調子を整えましょう。
なかなか出血が治まらないという方は、歯科医院を受診してください。
咀嚼が難しい
歯周病が原因で歯茎が赤くなっているケースでは、症状が進行すると歯のグラつきが起こり、咀嚼することが難しくなってしまいます。
硬いものが噛みにくい、歯がグラグラして不安定だといった症状が現れている場合は、歯周病がかなり進行している可能性が高いので、早急に歯科医院を受診しましょう。
歯周病は、歯茎に炎症を起こすだけでなく、神経や骨などの周辺組織も破壊する病気です。
自然治癒することはない上に、放置していると最終的に歯が抜け落ちてしまうため、なるべく早い段階で治療を受ける必要があります。
冷たいものがしみる
歯茎が赤いだけでなく、冷たいものがしみる場合には、歯周病や口内炎が発生している可能性があります。
歯周病が進行すると歯の根元が歯茎から露出してしまうため、刺激が神経に伝わりやすくなり、冷たいものを口にした際にしみることがあります。
また、口内炎が発生すると、冷たいものだけでなく、ブラッシングや食べ物が当たった刺激でも痛みを感じることがあるでしょう。
口内炎は、ビタミン類を積極的に摂取することで改善が見込めます。
2週間以上経っても治らないという方は、口腔がんのような他の病気を発症している可能性があるため、早急に歯科医院を受診してください。
歯茎が赤い場合に考えられる病気
歯周病の他にも、歯茎の色が赤くなる病気が存在します。
歯茎が赤い場合に考えられる病気とそれぞれの特徴をご紹介します。
歯周病
プラーク(歯垢)で細菌が繁殖して炎症が起こると、歯茎が赤くなります。
赤みだけでなく歯茎が腫れている場合には、歯周病である可能性が高いといえるでしょう。
初期の段階では症状が現れにくいため、多少歯茎が赤くなっていても放置してしまう方が多いですが、歯周病が進行すれば歯周ポケットが深くなり、歯茎だけでなく歯根や顎の骨にも炎症が広がってしまいます。
最終的には歯が抜け落ちたり、抜歯をしたりする必要が出てくるため、歯茎に赤みや腫れがみられた時点で歯科医院で治療を受けることをおすすめします。
歯周病について詳しく知りたい方は、下記コラムもおすすめです。
歯周病とはどんな病気?原因や症状、予防や治療の方法まで詳しく解説
むし歯
歯茎が赤くなっている場合は、むし歯が原因で細菌が繁殖している可能性もあります。
むし歯が原因で歯の根元に炎症が起こる「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」が発生すると、膿が溜まったり強い痛みが出たりします。
ここまで進行すると自然治癒は難しく、歯科医院で膿を出す処置を受けなければ改善できません。
歯周病とむし歯の違いは、歯茎が赤くなる範囲にあります。
歯周病の場合は広範囲が赤くなるという特徴がありますが、むし歯の場合は歯肉全体ではなく、特定の部分だけが赤くなるという特徴があります。
口内炎
口腔内の粘膜に発生する口内炎もまた、歯茎が赤くなる炎症を引き起こします。
口内炎は頬の内側や舌にできることが多いですが、歯茎に発生することもあります。
赤みの他にも、強い痛みを感じたり、刺激のある食べ物や冷たい飲み物を口にした際にしみたりすることが特徴で、自然治癒する可能性が高いです。
口内炎が発生した場合は、バランスの良い食事をとることを心がけましょう。
ストレスや体調不良にも注意して、規則正しい生活を送ることが大切です。
口腔がん(歯肉がん)
歯茎に赤みが現れていて、さらに潰瘍がみられる場合には口内炎である可能性が高いですが、稀に口腔がんが発生していることもあります。
口腔がんとは、その名の通り口の中にできるがん(癌)のことで、発生する部位によって「歯肉がん」や「舌がん」などの名称で呼ばれます。
口内炎と同じように、歯茎の赤みの他に、刺激によって強い痛みを感じるという点が特徴です。
口内炎と間違いやすいですが、2週間以上経っても自然治癒しない場合は口腔がんを疑いましょう。
手術や放射線療法といった治療でなければ改善は難しいため、早急に歯科医院を受診する必要があります。
歯茎が赤い・腫れている場合の応急処置方法
赤いだけでなく腫れが生じている場合は、痛みが気になって日常生活に支障をきたしてしまいます。
自宅でできる歯茎の赤みや腫れへの応急処置方法をいくつかご紹介します。
痛み止めを使用する
赤みだけでなく痛みがある場合は、早急に歯科医院を受診する必要がありますが、すぐに受診できないときには市販の痛み止めを使用しましょう。
歯周病やむし歯が原因で痛みが発生しているケースでは、殺菌成分を含む痛み止めを服用します。
口内炎が原因で痛みが発生しているケースでは、飲み薬ではなく塗り薬を使用すると良いでしょう。
口内炎には、患部に直接貼れるパッチタイプやスプレータイプの痛み止めもおすすめです。
また、栄養不足で口内炎が発生している可能性もあるので、ビタミン類を積極的に摂取することも忘れないでください。
赤くなっている部分を冷やす
歯茎が赤みを帯びて腫れている場合には、患部を冷やしてください。
冷やすことで炎症が和らぐため、一時的に痛みを緩和できます。
患部を直接冷やすのではなく、頬の上や口の上から濡れたタオルや氷のうを当てましょう。
冷やすことである程度痛みを緩和できますが、根本的な問題の解決にはならないため、早急に歯科医院を受診することをおすすめします。
口内を清潔に保つ
歯周病が原因で歯茎に赤みが現れている場合は、歯についたプラーク(歯垢)を取り除くことが大切です。
これ以上細菌が繁殖しないように、丁寧なケアを行って口内を清潔に保ちましょう。
プラークの除去が難しい、ブラッシングでは落とせない歯石が発生しているという場合は、歯科医院でクリーニングを受けてください。
歯科医院では専用の機器を用いてクリーニングを行うため、頑固なプラークや歯石もきれいに除去できます。
正しいブラッシング方法を指導してもらうこともできるので、歯茎の赤みが出ていなくとも、定期的に検診を受けると良いでしょう。
生活を見直す
口内炎のように、食生活の乱れが原因で歯茎が赤くなることもあります。
歯茎全体が赤くなっている場合には、ビタミンやミネラルといった栄養を積極的に摂取しましょう。
細菌に対する抵抗力を高めるためにも、バランスの良い食事や質の良い睡眠をとることが理想です。
心身をしっかりと休ませて、疲れやストレスを溜め込まないように注意してください。
歯周病の治療方法
歯茎の赤みの原因として多いのが、歯周病です。歯周病はどのような治療方法で改善できるのでしょうか。
歯周病の2つの段階である「歯肉炎」と「歯周炎」に分けてご紹介します。
歯肉炎の場合
歯周病には2つの段階があり、初期には「歯肉炎」が起こります。
自覚症状はほとんどなく、自身で気付くことは難しいものの、歯肉炎の段階であればクリーニングで改善できる可能性が高いです。
歯肉炎の治療では、主にプラーク(歯垢)と歯石を除去する方法が取られます。
プラークや歯石を放置すると歯周病が進行してしまうため、早急に取り除く必要があります。
どちらもブラッシングでは除去が難しいので、プラークや歯石を見つけたら歯科医院でクリーニングを受けましょう。
歯周炎の場合
歯周病が中程度以上まで進行すると、「歯周炎」が起こります。
歯周炎になると、歯周ポケットの奥深くまでプラーク(歯垢)や歯石が溜まってしまいます。
クリーニングだけでは完全に除去することが難しいため、手術(歯周外科治療)で歯茎を切開し、歯根部を露出させてプラークや歯石を除去しなければなりません。
歯周炎まで進行すると、プラークや歯石が溜まるだけでなく、歯のグラつきや強い痛みといった症状が現れることもあります。
歯周炎の治療方法は症状によって異なるため、歯科医院へ確認してください。
下記コラムでは、歯周病の原因についても触れておりますので気になる方はご覧ください。
歯周病の原因とは?進行の流れや発症しやすい方の特徴、予防方法などをご紹介
歯茎が赤いとお悩みの方はティコニーデンタルオフィスへ
色合いが変化しているというだけでなく、歯茎の赤みは何らかの病気のサインである可能性があります。
特に痛みやかゆみ、腫れが生じているという場合には、早急に歯科医院を受診しましょう。
歯茎が赤いとお悩みの方は、ティコニーデンタルオフィスへご相談ください。
歯周病やむし歯、口内炎など、赤みの原因に合わせて適切な治療方法をご提案します。