歯茎に赤みや腫れが起こると、病気ではないかと不安になります。
歯茎のトラブルは日常生活に支障をきたすことがあり、放置すれば症状が悪化することもあるので、異常がみられた場合は早急に対処しましょう。
今回は、歯肉炎について解説します。
自宅でのセルフケア方法や歯科医院での治療方法をご紹介しますので、歯茎に気になる症状があるという方は、ぜひご一読ください。
歯肉炎とは?
歯肉(歯茎)が炎症を起こした状態にある軽度の歯周病を「歯肉炎」といいます。
歯間や歯と歯茎の間にプラーク(歯垢)が堆積すると、その中で細菌が繁殖して炎症が起こります。
歯茎に赤みや腫れが起こり、ときには痛みや出血を伴うという点が特徴です。
歯周病の初期段階にあたる歯肉炎では深刻な症状は現れにくく、自覚症状にも乏しいですが、進行して重度になると顎の骨が溶けたり、歯が抜け落ちたりすることもあります。
歯茎に赤みや腫れ、むず痒さといった症状が現れている場合は、放置せずに早急に対処しましょう。
歯肉炎について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
歯肉炎とは?歯周病との違いや発症する原因、治療方法や予防方法について解説します
自宅でのセルフケア方法
歯科医院で治療を受けるのが対処方法として最善ですが、まずは自宅で治せないか試してみたいという方もいるでしょう。
歯肉炎が起こった場合は、自宅でどのようなケアを行えば良いのでしょうか。
具体的なセルフケア方法をご紹介します。
丁寧にブラッシングを行う
歯肉炎の原因となる歯周病菌は、酸素が届きにくい歯間や歯と歯茎の間で繁殖します。
プラークや歯石が溜まっていると歯周病菌が繁殖しやすくなってしまうため、歯肉炎のケアを行う際には、汚れが蓄積しないように歯ブラシで丁寧にブラッシングを行うことが大切です。
歯の表面だけを磨いていると磨き残しが発生してしまうので、歯の隙間を重点的に磨きましょう。
電動ブラシを使用する場合にも、歯の表面にあてるだけでなく、隙間に押しあてて磨き残しが発生しないように注意してください。
歯間ブラシやデンタルフロスを使用する
歯間や歯と歯茎の間の汚れを取り除きたくても歯ブラシが上手く届かない場合におすすめなのが、「歯間ブラシ」や「デンタルフロス」といったデンタルケアアイテムです。
歯間に入り込みやすいため、歯ブラシよりも細かい汚れを落としやすいというメリットがあります。
市販されている歯間ブラシやデンタルフロスは種類が豊富なので、自身の使いやすいアイテムを探してみましょう。
おすすめのアイテムを知りたい方は、歯科医院で販売されているアイテムを購入すると良いでしょう。
歯科医院で購入すると、歯科医師や歯科衛生士から使用方法を指導してもらえます。
殺菌作用のあるうがい薬を使用する
歯肉炎のケアには、殺菌作用のあるうがい薬を使用するのもおすすめです。
プラークや歯石といった汚れを直接落とすことはできませんが、歯周病菌の繁殖を抑制する効果が期待できます。
アイテムに含まれている成分にもよりますが、除菌作用を持つうがい薬であれば、歯周病菌だけでなくむし歯菌も除去できます。
アルコール成分が含まれたうがい薬やマウスウォッシュを使用しても良いですが、刺激が強く使用しにくい場合には、アルコールが含まれない低刺激タイプのうがい薬を選択しましょう。
口腔内はもちろん喉の殺菌も行えるので、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスといったアイテムと併せて使用してください。
歯肉炎の予防方法
一度発症してしまうと、症状が治まったと思っても繰り返すのが歯肉炎です。
歯肉炎を発症させないために、どのような方法で予防すれば良いのでしょうか。詳しく解説します。
口腔内を清潔に保つ
デンタルケアアイテムは、歯に付着したり、挟まったりした食べ物を除去するためだけに使用するものではありません。
歯周病菌の温床となるプラークや歯石を取り除いたり、口腔内の歯周病菌やむし歯菌を除去したりする目的でも使用されます。
歯肉炎の予防として最も効果的な方法は、細菌が繁殖できないように口腔内を清潔に保つことです。
食事の後に口腔内のケアを行うことはもちろんですが、就寝前にもしっかりと丁寧に口腔内のケアを行いましょう。
就寝中は唾液の分泌が減って細菌が繁殖しやすくなってしまうので、就寝前に少しでも口腔内の細菌を除去しておくことが大切です。
唾液の分泌を促す
唾液には、口腔内の乾燥を防ぐだけでなく、細菌を洗い流す働きがあります。
歯肉炎を予防したい場合には、口腔内の唾液の分泌量を増やすと良いでしょう。
一日の中でこまめに水分を摂取したり、食事の際によく噛んで食べたりすることが大切です。
また、食後にキシリトールを含むガムを噛むのもおすすめです。
デンタルケアと併せて、唾液の分泌量にも注目してみてください。
生活習慣を見直す
歯周病菌に限られたことではありませんが、体の免疫システムの働きが低下すると、細菌に対抗する力が弱まってしまいます。
歯周病を予防したいという方は、規則正しい生活を心がけましょう。
バランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動を心がけて、体の免疫力をアップさせます。
また、喫煙の習慣がある方は、タバコを控えた方が良いでしょう。
喫煙をすると体内の血液量が減少して酸素が行き渡らなくなり、細菌が繁殖しやすくなるというデメリットがあります。
口腔内の唾液の分泌量も減ってしまうので、少しずつタバコの本数を減らして禁煙を目指してください。
歯科医院で定期検診を受ける
入念にデンタルケアを行っても、完璧に口腔内のケアを行うことは難しく、どうしても磨き残しが発生してしまいます。
歯周病を予防したい場合には、定期的に歯科医院で定期検診を受けることが大切です。
歯科医院では、歯周病の早期発見が期待できる他にも、むし歯や噛み合わせのズレなど、口腔内のトラブルが発生していないかチェックしてもらえます。
また、歯科医師や歯科衛生士による歯のクリーニングを受けたり、デンタルケアの指導を受けたりすることも可能なので、3~6ヵ月に1回を目安に定期検診を受けましょう。
歯肉炎は自宅で治せない!
歯周病に効果があるとうたった市販のケアアイテムが販売されているため、「歯周病は自宅で治せる」と考えている方もいますが、実際には難しいといえます。
市販のケアアイテムを使用すると、赤みや腫れが引くことがありますが、一時的な変化であって完治したわけではありません。
繰り返し症状が現れる可能性が高い上に、発症から時間が経つことで悪化してしまう可能性もあります。
歯肉炎を完治させるには、歯や歯茎の周辺に溜まったプラークや歯石を完全に除去する必要があります。
プラークや歯石をブラッシングだけで除去することは難しいため、歯科医院で専門の器具を用いた施術を受けなければなりません。
歯肉炎の発症に気付いたら、自宅でのケアにこだわらずに歯科医院で適切な治療を受けましょう。
歯科医院での治療方法
一度発症してしまうと、自宅でのセルフケアだけで歯肉炎を完治させることは難しいといえます。
歯肉炎の症状に悩まされているという方は、歯科医院を受診しましょう。
歯科医院で行われている歯周病の具体的な治療方法をご紹介します。
軽度の場合
歯肉炎は、軽度の歯周病にあたります。
歯茎の赤みや腫れが主な症状であり、痛みや出血が起こったとしても自然に治まるケースが多いです。
歯周病の初期段階では、まず「プラークコントロール」と呼ばれる、プラークや歯石の除去が行われます。
また、口腔内のケアを行うために、正しいブラッシングの指導も行われるでしょう。
歯科医院での歯のクリーニングと、自宅での患者様自身のセルフケアの2つの方法を併せて歯肉炎の改善を目指します。
中等度の場合
歯周病が進行すると、歯と歯茎の間にある「歯周ポケット」が深くなり、プラークだけでなく歯石の付着もみられます。
また、歯周病だけでなく、むし歯を併発しているケースも少なくありません。
歯周ポケットが深くなると、歯の根元に細菌が入り込みやすくなり、よりプラークや歯石が発生しやすくなります。
歯周病の中等度の段階では、プラークコントロールだけでなく、場合によっては飲み薬が処方されたり、歯科治療専用のレーザーを用いた治療が行われたりします。
患者様の状態によって治療方法は異なるので、歯周病の治療に関してより詳しく知りたいという方は、歯科医院を受診してください。
重度の場合
歯周病がさらに進行すると、歯や歯茎だけでなく、骨や歯周組織にも影響を及ぼします。
「歯槽膿漏」と呼ばれる重度の段階になると、プラークコントロールや処方薬、レーザー治療だけでは対応できない可能性が高いです。
歯石が歯周ポケットの深部にまで付着している場合は、外科手術が行われ、歯茎をめくって歯石を除去する必要があります。
歯周組織がすでに失われている場合は、歯周組織再生療法で回復を目指します。
歯肉炎の治療について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
歯周病の治療法とは?進行度による治し方の違いや費用の目安をご紹介
歯周病にお悩みの方はティコニーデンタルオフィスへご相談ください
歯茎のトラブルを根本的に解決するためには、歯科医院で適切な治療を受ける必要があります。
自宅でのセルフケアを試してみても症状がなかなか改善できないという方は、一度歯科医院を受診しましょう。
歯肉炎をはじめとした歯周病の症状にお悩みの方は、ティコニーデンタルオフィスへご相談ください。
日本歯周病学会の認定医である院長が、患者様の症状をチェックして、適切なケア方法や治療方法をご提案いたします。
「歯肉炎かわからないけれど歯茎の赤みや腫れが気になる」という方も、お気軽にご相談ください。
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