歯並びが悪いと、審美性や機能性に劣るというだけでなく、ケアが難しいという問題が発生します。
歯ブラシが届きにくくなり、むし歯や歯周病などのトラブルが起こりやすくなるので、歯並びに問題があるという方は歯列矯正を検討しましょう。
今回は、代表的な歯列矯正方法である「インビザライン」と「ワイヤー矯正」の違いについて解説します。
両者の違いがわからない、双方のメリット・デメリットを知りたいという方は、ぜひご一読ください。
インビザラインとワイヤー矯正の違い
同じ歯列矯正の治療方法であっても、特徴は大きく異なります。
まずは、インビザラインとワイヤー矯正の違いをご紹介します。
インビザラインの特徴
3Dスキャンしたデータをもとにマウスピースを作製して、歯列矯正を行う方法を「インビザライン(マウスピース矯正)」といいます。
初めに複数のマウスピースを作製して、1~2週間ごとに交換することで少しずつ歯を動かすという方法で、軽度から中程度の歯列矯正に用いられることが多いです。
個人差があるため患者様によって異なりますが、インビザラインの治療期間と費用の目安は、以下の通りです。
▼全体矯正
期間:2~3年
費用:70~100万円
▼部分矯正
期間:6ヵ月~1年
費用:30~40万円
ワイヤー矯正の特徴
歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を取り付けてワイヤーを通し、歯を引っ張ることで歯列矯正を行う方法を「ワイヤー矯正」といいます。
矯正治療の中でスタンダードとなっている方法で、現在でも多くの歯科医院で採用されています。
症例数が多く、中程度や重度の歯列矯正にも適応できるという点が特徴で、ブラケットは金属だけでなく、セラミックやブラスチックを選択することも可能です。
定期的に歯科医師にチェックしてもらう必要があるため、3~4週間に一度程度の頻度で通院することになるでしょう。
個人差があるため患者様によって異なりますが、ワイヤー矯正の治療期間と費用の目安は、以下の通りです。
▼全体矯正
期間:1~3年
費用:70~150万円
▼部分矯正
期間:2ヵ月~1年
費用:30~70万円
インビザラインのメリット
治療方法が大きく異なることはわかりましたが、インビザラインとワイヤー矯正には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
まずはインビザラインの具体的なメリットをご紹介します。
矯正装置が目立たない
インビザラインの魅力は、なんといっても装置が目立たないという点です。
ポリウレタン製の透明なマウスピースを用いる上に、厚みは僅か0.5mm程度なので、一見しただけでは矯正装置を装着しているとわかりません。
マウスピースを装着したまま人前に出ても周囲に気付かれにくいという点は、インビザラインならではのメリットだといえるでしょう。
矯正装置の取り外しが可能
ワイヤー矯正では、一度装置を装着すると取り外しができなくなりますが、インビザラインで使用されるマウスピースは自身の意志で取り外しが可能です。
装置を取り外して食事を楽しめるので、ストレスを感じることなく歯列矯正が行えます。
また、マウスピースを外してケアできるため、口腔内を清潔に保てるという点も大きなメリットだといえるでしょう。
痛みや違和感が少ない
インビザラインでは、1~2週間という長い時間をかけて、少しずつ(0.25mm程度)歯を動かします。
一度に大きく歯を動かすわけではないので、痛みが出にくいというメリットもあります。
個人差はありますが、ワイヤー矯正と比較すると装置を取り付けた際に痛みや違和感が出にくい傾向にあるので、痛みが心配だという方はインビザラインを選択すると良いでしょう。
インビザラインのデメリット
どのような治療方法にもいえることですが、インビザラインにもデメリットがあります。
実際に治療を受ける前に、どのようなリスクが考えられるのか把握しておきましょう。
歯の状態によって適用できないケースがある
日々進化しているインビザラインですが、難しい症例の場合は適用できないケースがあります。
歯並びや骨格次第でワイヤー矯正を勧められることもあるので、以下にあてはまる方は、歯科医院で治療が可能か確認してもらいましょう。
- ・重度の出っ歯
- ・重度の受け口
- ・重度の歯周病
- ・インプラントが入っている
- ・抜歯しなければならない歯が多い
マウスピースを破損・紛失する可能性がある
矯正装置であるマウスピースを自由に取り外せるという点がインビザラインの魅力ですが、管理を怠ると破損したり、紛失したりする可能性があります。
マウスピースは薄く、無理に着脱を行ったり、外すのを忘れて食べ物を口にしたりすると、破損してしまいます。
また、食事やケアの際に外してそのまま紛失してしまうこともあるので、ケースを使用してしっかりと管理してください。
マウスピースを長時間装着する必要がある
インビザラインでは、1日20~22時間以上マウスピースを装着する必要があります。
長時間外したままでいると、治療が進まないだけでなく、歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」が起こります。
十分な効果を得るためにも、食事やケア以外の時間は、常にマウスピースを装着することを心がけましょう。
新しいマウスピースに交換する際にも、歯科医院の指導を守って適切なタイミングで取り換えてください。
ワイヤー矯正のメリット
インビザライン同様に、ワイヤー矯正にもメリットとデメリットが存在します。
治療を選択する際に迷わないように、ワイヤー矯正についても学んでおきましょう。
まずは具体的なメリットをご紹介します。
治療期間が短い
インビザラインと比較すると、ワイヤー矯正の方が大きく歯を動かすことができます。
ワイヤーの力を使って強い力で歯を移動させられることから、治療期間が短く済むケースが多いです。
特に重度の歯列不正の場合は、短期間で効果を実感できるでしょう。
効果の現れ方には個人差があるので、正確な治療期間については歯科医師へ確認してください。
症例数が多く経験豊富な歯科医師が多い
1900年代から始まったワイヤー矯正治療は、現在、世界中の歯科医院で採用されている歯列矯正方法です。
100年以上の歴史を持つことから、症例数が多く、歯科治療の中でも研究が進んでいる治療方法だといえます。
症例や実績をもとに、患者様の状態に合った適切な治療方法を提案してもらえるという点は、ワイヤー矯正ならではのメリットだといえるでしょう。
適用できる範囲が広い
出っ歯や受け口、すきっ歯や八重歯など、どのような状態でも適用できる可能性が高いという点も、ワイヤー矯正のメリットの一つです。
抜歯を伴う治療や奥歯を含む治療も可能であることから、インビザラインでは対応できない状態でも改善できるケースがあります。
歯を大きく動かすだけでなく、傾きや向きを整えるといった細かい調整が行えるという点も、ワイヤー矯正の大きなメリットだといます。
ワイヤー矯正のデメリット
ワイヤー矯正では、インビザラインとは異なるデメリットが存在します。
具体的なデメリットも把握しておきましょう。
食事が制限される
ワイヤー矯正の最大のデメリットは、矯正装置の取り外しが行えないという点です。
一度取り付けたブラケットやワイヤーは歯科医師でなければ外せないため、矯正装置を装着したまま食事をすることになります。
硬い食べ物や粘度の高い食べ物を口にすると、装置が破損したり、外れたりすることがあるため、食事内容に注意しなければなりません。
ストレスフリーで食事を楽しみたいという方は、インビザラインを選択すると良いでしょう。
むし歯や歯周病の発症リスクが高まる
食事と同様に、口腔内のケアが難しいという点もワイヤー矯正のデメリットだといえます。
歯の表面にはブラケットとワイヤーが取り付けられているため、歯ブラシが届きにくく、磨き残しが発生しやすいです。
プラーク(歯垢)や歯石が溜まるとむし歯や歯周病の発症リスクが高まるので、治療期間中は特に丁寧なケアを心がけましょう。
痛みや違和感が出ることがある
ワイヤー矯正では調整の際に歯を強く引っ張るため、施術直後には痛みや違和感が出やすいという特徴があります。
また、歯の表面に取り付けたブラケットが、柔らかい口の粘膜に接して痛みを感じることもあるでしょう。
慣れることで痛みは自然に治まりますが、器具の凹凸が口の粘膜や舌を傷付けたり、傷が原因で口内炎を発症したりする可能性もあります。
なかなか痛みが引かない、口内炎を繰り返し発症しているという方は、歯科医院へご相談ください。
インビザラインとワイヤー矯正どっちがおすすめ?
どちらも効果的な歯列矯正方法ではありますが、人によって適した治療方法は異なります。
インビザラインとワイヤー矯正のどちらを選べば良いのか迷った際には、一度歯科医院で歯の状態を確認してもらうと良いでしょう。
治療内容について説明を受けた上で、選択できる場合は予算や期間、期待できる効果をよく比較して、最適な方法を選択してください。
歯列矯正は、インビザライン、ワイヤー矯正共に、歯科医師の経験の差が仕上がりに大きく影響します。
特にまだ新しい治療方法であるインビザラインは、症例数が少なく、経験を積んだ歯科医師も少ない傾向にあります。
インビザラインに興味があるという方は、歯列矯正の中でも、特にインビザラインを専門とする歯科医院を探しましょう。
歯列矯正に関するご相談はティコニーデンタルオフィスへ
歯並びが悪いと、見た目が悪い、食事をしにくいという他にも、自分に自信が持てなくなってしまいます。
口元にコンプレックスを抱えているという方は、歯列矯正で自信を取り戻しましょう。
歯列矯正を希望する方は、ティコニーデンタルオフィスへご相談ください。
インビザラインの治療を得意とする歯科医師が、患者様の歯の状態を診た上で、適切な治療方法をご提案いたします。
インビザラインに興味がある、前歯だけ矯正したい方は、まずはお気軽にカウンセリングをご予約ください。
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