入れ歯やブリッジと比較すると耐久性に優れているインプラントですが、永久に使用できるというわけではありません。
大切に使用した上で、定期的にメンテナンスを受けなければ寿命が縮んでしまいます。
今回は、インプラントを使用できる期間の目安について解説します。
寿命が縮む原因や寿命を迎えた場合の対処方法、長持ちさせる方法についてもご紹介しますので、治療を受けることを検討しているという方はぜひご一読ください。
インプラントの平均寿命
個人差がありますが、一般的なインプラントの平均寿命は10~15年程度です。
寿命とは、トラブルなく正常に機能する期間を指していて「残存期間」とも呼ばれます。
入れ歯の残存期間は4~5年程度、ブリッジの残存期間は7~8年程度だといわれているので、インプラントは長持ちする治療方法だといえるでしょう。
ただし、上記はあくまで平均寿命であって、人によって残存期間は異なります。
ケアを怠ったり、ケアの質が悪かったりすると寿命が短くなってしまうので、長く使い続けたいという方は、忘れずにメンテナンスを受けましょう。
インプラントの寿命が縮む原因
少しでも残存期間を伸ばしたいという方は、ケア方法や生活習慣に注意しましょう。
インプラントの寿命を縮めてしまう原因をいくつかご紹介します。
①インプラント周囲炎
インプラント周辺の組織に炎症が起こる病気を「インプラント周囲炎(インプラント周囲粘膜炎)」といいます。
歯周病と同じ細菌感染により歯茎に炎症が起こっている状態を指し、進行すると歯槽骨にまで炎症が広がって、最終的には人工歯根が抜け落ちてしまうことがあります。
適切な治療を受けずに放置すると、症状が悪化して寿命を迎えてしまうでしょう。
インプラント周囲炎を予防するためには、自宅でケアを行うことはもちろん、歯科医院でも定期的に検診を受けることが大切です。
②メンテナンス不足
インプラント周囲炎をはじめとするトラブルの原因は、メンテナンス不足にあります。
インプラントの治療は、人工歯を装着して完了ではありません。
治療後にも歯科医院で適切なメンテナンスを受けなければ、寿命が縮んでしまいます。
反対に、トラブルが起こった場合でも、早期発見・早期治療を行えば長持ちします。
人工歯根と人工歯を繋ぐアバットメントのネジを締め直したり、プラークや歯石を取り除いたりとメンテナンスが必要となるので、定期的に歯科医師に診てもらいましょう。
③インプラントの質が低い
せっかく治療が上手くいっても、使用した人工歯根や人工歯の品質が低いと寿命が縮んでしまいます。
世界中で使用されているインプラントには、数多くのメーカーが存在します。
近年は、マイナーメーカーの人工歯根や人工歯を採用している歯科医院もあるため、注意が必要です。
品質が保証されているメーカーのものを使用しているか、歯科医院へ確認しておきましょう。
④歯ぎしり・食いしばり
丈夫で長持ちするという点がインプラントの魅力ですが、トラブルが全く起こらないというわけではありません。
人工歯に強い力が加わると、欠けたり、割れたりして寿命が縮んでしまう可能性があります。
特に、歯ぎしりや食いしばりを行う癖があるという方は、人工歯に大きな負担をかけることになるので、十分に注意してください。
歯ぎしりや食いしばりを行うと、歯に100キロ以上の力がかかるといわれています。
日常的に繰り返すと歯に大きな負担をかけることになるので、天然歯を守るためにも、癖に気付いたら早急に改善を目指しましょう。
⑤喫煙習慣
喫煙を行うと、血流が悪くなってインプラント周囲炎の発症率が高くなるといわれています。
顎の骨と人工歯根の結合力が弱まったり、免疫力が低下して感染症リスクが高まったりと、様々なトラブルを引き起こします。
治療後の回復が遅れる上に寿命を縮めてしまうことにも繋がるので、喫煙習慣があるという方は十分に注意してください。
喫煙習慣があると、治療を受けること自体が難しくなるケースもあります。
安全に手術を受けるためにも、治療開始前に禁煙しておくと良いでしょう。
インプラントを長持ちさせる方法
寿命を縮めてしまう原因はわかりましたが、長持ちさせるにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。
インプラントを長持ちさせるために知っておきたいポイントをいくつかご紹介します。
適切なケアを行う
毎日丁寧にケアを行っていても、方法が間違っていては意味がありません。
また、どんなにケアに力を入れていても、磨き残しが発生していたり、気付かぬうちに口腔内でトラブルが起こっていたりすることも珍しくありません。
インプラントを長持ちさせるためにも、定期的に歯科医院で検診を受けましょう。
歯科医院では、口腔内にトラブルが起こっていないかチェックしてもらえます。
また、正しいブラッシングの指導を受けることもできるので、半年に1回程度の頻度で通院してください。
歯ぎしり・食いしばりを改善する
日中に行っている歯ぎしりや食いしばりに関しては、意識的に改善することも可能ですが、就寝中に行っている場合は改善が難しいものです。
就寝中に歯ぎしりや食いしばりをしていると指摘された方は、歯科医院へご相談ください。
「マウスピース(ナイトガード)」を使用することで、インプラントはもちろん、天然歯も保護できます。
無意識のうちに行っている歯ぎしりや食いしばりへの対策として有効ですので、インプラントを長持ちさせるためにも、早めに対策を行いましょう。
喫煙回数を減らす
喫煙習慣があるという方は、治療を受ける前に段階的に喫煙の回数を減らして、禁煙を目指しましょう。
インプラント治療の一環として歯科医師から喫煙を制限されることもありますが、自力で禁煙を目指したい場合には「禁煙外来」を受診することをおすすめします。
保険診療で治療が受けられるので、費用負担が少なく済みます。
また、医師や看護師にサポートしてもらえることから、自力での禁煙が上手くいかないという方でも成功率が向上するでしょう。
喫煙はがんや心血管疾患、呼吸器疾患などを引き起こすリスクも抱えているので、インプラント治療を機に禁煙に挑戦してみてください。
インプラントが寿命を迎えたサイン
構造的な問題が生じたり、インプラント周囲炎を発症したりすると、寿命を迎えてしまいます。
以下の症状が現れた場合は、早急にかかりつけの歯科医師にご相談ください。
- ・腫れが起こっている
- ・赤みがある
- ・痛みが出ている
- ・インプラントがグラグラする
- ・人工歯が破損している
- ・食べ物を噛む際に違和感がある
寿命を迎えていなくとも上記の症状が現れる可能性があり、メンテナンスで改善できるケースもあります。
原因が寿命にあるのか、単なるトラブルなのか、歯科医院を受診して確認してもらうと良いでしょう。
インプラントが寿命を迎えた場合の対処方法
インプラントに問題が生じた場合、適切な方法で対処しなければ口内環境が悪化してしまいます。
具体的にはどのような方法で対処すれば良いのでしょうか。
詳しく解説します。
保証期間を確認する
寿命を迎えた場合は、まずは保証期間を確認しましょう。
基本的にインプラントには、5~10年程度の保証期間が設けられています。
期間内であれば無料、または通常より安い料金で修復や交換を行ってもらえる可能性があるので、早急に歯科医院を受診しましょう。
保証内容や条件は歯科医院によって異なります。
治療を受ける前に、歯科医師に確認しておいてください。
かかりつけの歯科医院へ相談する
インプラントの治療には高度な知識やスキルが必要であるため、対応できる歯科医院は限られています。
歯科医院であればどこでも修復や交換ができるというわけではないので、インプラントの治療を受けた歯科医院へご相談ください。
実際に治療を行った歯科医師であれば、口腔内の状態を確認した上で、抜去や再治療など、適切な改善方法を提案してもらえます。
転居でかかりつけの歯科医師に相談することが難しい場合は、転居先でメンテナンスが受けられる歯科医院を紹介してもらうと良いでしょう。
寿命を迎えた状態で放置しない
インプラントが寿命を迎えた際に避けなければならないのが、そのままの状態で放置することです。
インプラントが使用できないというだけでなく、痛みや腫れが出ることもあります。
また、歯周病を発症したり、他の健康な歯に悪い影響が出てしまったりするリスクも考えられます。
放置している期間が長いほど再治療が難しくなるので、トラブルが発生した場合は早急に歯科医院へご相談ください。
インプラント治療を希望する方はティコニーデンタルオフィスへ
丈夫で長持ちするという点がインプラントのメリットですが、大切に扱わないと寿命が縮んでしまいます。
長く使用してトラブルが発生した場合は、早急にメンテナンスを受けましょう。
インプラント治療に興味があるという方は、ティコニーデンタルオフィスへご相談ください。
当院では日本口腔インプラント学会の専修医である院長が、患者様に最適な治療方法をご提案します。
関連ページ:ティコニーデンタルオフィスの院長・スタッフについて
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