顎の骨に土台を埋入して人工歯を設置するインプラントでは、外科手術が行われます。
他の歯科治療と比較すると、手術が行われる分、患者様の体へ負担がかかることになります。
インプラントの手術後には、どのような点に注意して過ごせば良いのでしょうか。
今回は、インプラント手術後の過ごし方について解説します。
注意すべき症状や痛みが出た場合の対処方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
インプラントの手術後の過ごし方
体への負担を考慮して、手術後には日常生活の中で注意しなければならないことがあります。
食事や運動、飲酒について、注意すべきポイントをいくつかご紹介します。
①飲食について
口腔内の手術を行うため、飲食物については特に注意が必要です。
インプラントの手術では麻酔が使用されますが、効果が切れるまでに数時間かかります。
麻酔が効いたままの状態で食事を行うと、感覚がないために刺激や熱を感じにくく、口腔内を傷付けてしまう可能性があります。
火傷をしたり、頬や舌を噛んだりする恐れがあるので、麻酔の効果が切れるまでは食事を控えましょう。
飲み物を摂取したい場合は、温度に注意して口にしてください。
②運動と入浴について
血行を促進させる運動や入浴を行うと、痛みが出やすくなったり、出血が起こったりします。
回復が見込める手術後1週間程度は、血行を促進させる行動は控えて安静に過ごしましょう。
手術後は熱いお湯に浸かることを避けて、シャワーで入浴を済ませることが理想です。
また、汗をかくような激しい運動は避けて、ウォーキングやストレッチのように軽い運動を行うと良いでしょう。
1週間は難しいとしても、手術後3日程度は安静に過ごすようにしてください。
③飲酒と喫煙について
運動や入浴と同様に、飲酒もまた血行を促進させます。
痛みや出血が起こりやすくなるので、手術後1週間程度はアルコールの摂取を控えましょう。
タバコを吸うと、反対に血行が悪くなって傷の治りが遅くなります。
傷が塞がらない上に化膿してしまうこともあるので、手術後1週間程度は喫煙を控えてください。
タバコに含まれるニコチンは、歯茎の血管を収縮させて血流を低下し、歯周病のリスクを高めます。
インプラント周囲炎を発症しやすくなるので、可能であれば手術を機に禁煙を目指しましょう。
④睡眠について
身体活動を鎮静化させる睡眠は、体の回復を促進させます。
インプラントの手術後には夜更かしを避けて、良質な睡眠を十分に取るように心がけましょう。
特に仕事を休めない、家事や育児に追われているという方は、睡眠で体の回復を促進する必要があります。
仕事や家事・育児の合間に休息を設けて、夜間にはしっかりと睡眠を取って体の疲れを取りましょう。
⑤口腔内のケアについて
口腔内が傷付いた状態で歯磨きを行うと、傷口が開いたり、細菌感染が起こったりする可能性が高まります。
インプラントの手術後1週間程度は、直接的な歯磨きは行わないようにしてください。
ただし、全くケアを行わなくて良いというわけではありません。
口腔内で汚れや細菌が増えると、細菌感染のリスクが高まります。
傷口を避けて歯磨きを行い、傷口がある部分に関しては、マウスウォッシュやうがい薬でケアを行います。
歯科医院によってはうがい薬を処方してくれることもあるので、ケアの方法に迷ったら歯科医師へご相談ください。
インプラントの手術後に注意すべき症状
手術が無事に終わったと思っても、術後の経過が良くなければ回復に遅れが生じます。
インプラントの手術後にどのような症状が現れたら注意しなければならないのでしょうか。
詳しく解説します。
出血
手術を行った後には、縫合されていても出血が起こることがあります。
手術後1~2日程度で自然に治まりますが、稀に出血が続くことがあります。
出血がなかなか治まらない、鼻から出血が見られるという場合には、担当の歯科医師へご相談ください。
傷口の周辺で問題が起こっている可能性があるので、放置は禁物です。
どの程度の頻度で、どの程度出血量があるのか、歯科医師に伝えて傷口を診てもらいましょう。
痛み・腫れ
インプラントの手術では歯茎にメスを入れるため、どうしても痛みや腫れが発生します。
ズキズキとした痛みが数日間続くことがありますが、長くとも1週間程度で自然に治まるでしょう。
手術後1週間を経過しても痛みや腫れが引かない、鎮痛剤を服用しても痛みが治まらないという場合には、何らかの問題が起こっている可能性があります。
傷口が突然強く痛み出した、傷口以外の部分が痛むという場合にも、我慢せずに早急に担当の歯科医師へご相談ください。
薬の副作用
手術後に痛みが出た場合は鎮痛剤を服用しますが、体に合わない可能性があります。
また、元々服用している持病の薬との飲み合わせが悪く、副作用が出てしまうケースもあります。
薬を服用する際には、用法・用量を守って、正しいタイミングで口にするよう心がけましょう。
血や膿が出たり、下痢や湿疹が起こったりと、手術後に何らかの症状が現れた場合には、服用した薬に問題があるのかもしれません。
無理をせずに担当の歯科医師へ相談してください。
インプラントの手術後に痛みや腫れが出た場合の対処方法
順調に回復するように日常生活に気を付けていても、痛みや腫れが出てしまうことがあります。
インプラントの手術後に、我慢できない程の痛みや腫れが出た場合の正しい対処方法をいくつかご紹介します。
処方された薬を服用する
インプラントの手術後には、歯科医院から鎮痛剤や抗生物質が処方されます。
痛みや腫れがひどくない場合でも、歯科医師の指示通りに薬を飲み切りましょう。
自己判断で服用を止めたり、服用するのを忘れたりすると、それまで薬で緩和されていた痛みや腫れが強く出る可能性があります。
傷の治りも遅くなってしまうので、歯科医院から処方された薬は、スケジュール通りに飲み切ることが大切です。
安静に過ごす
運動や入浴、飲酒といった血行を促進させる行動は、傷の治りを遅くして体の回復を妨げます。
痛みや出血も起こりやすくなるので、インプラントの手術後には極力安静に過ごしましょう。
湯船に浸かったり、熱いお湯を浴びたりすることはもちろん、サウナも避ける必要があります。
運動を行う場合は、軽い有酸素運動に留めて、筋トレのような体に負荷がかかる運動は避けてください。
仕事やプライベートが忙しいという方でも、適度に休息を取って、体に負担がかからないように注意しましょう。
患部を冷やす
一時的ではありますが、痛みや腫れが生じている部分を冷やすと、症状を緩和できます。
濡らしたタオルや市販の冷却シートを使用して、痛みがある部分を冷却しましょう。
患部に直接触れると、感染症を発症するリスクが高まります。
傷口を冷やしたい場合には、歯や歯茎には触れずに、口元や頬などを外部から冷やすようにしてください。
冷やし過ぎると血行が悪くなって傷の治りが遅くなるので、腫れの状態を見ながら適度に冷やすことが大切です。
担当の歯科医師に相談する
痛みや腫れがひどい、鎮痛剤を服用したり、冷やしたりしてもなかなか引かないという場合には、担当の歯科医師に相談しましょう。
出血がある、膿が出ているという場合には、傷口の周辺で問題が起こっている可能性があります。
気になる症状や違和感、不快感については、担当の歯科医師に相談して一度診てもらうと良いでしょう。
不調を放置すると、傷口の治りが遅くなるだけでなく、新たな問題に繋がる可能性もあります。
口腔内の問題は見過ごさずに、早急に対処することが大切です。
インプラントは手術後のケアが重要
外科手術が行われるインプラントでは、信頼できる歯科医師に治療をお願いすることも大切ですが、患者様自身が行うケアも重要だといえます。
インプラントの手術後には、少なくとも痛みや腫れが出るリスクがあるので、少しでも早く回復できるように正しい対処方法を心得ておきましょう。
我慢できない程の強い痛みや腫れが出た場合は、早急に担当の歯科医師にご相談ください。
個人差はあるものの、手術後3日程度で症状が落ち着き、1週間程度経てば回復する傾向にあります。
1週間以上経っても痛みや腫れが引かない、正しい方法でケアを行っていてもなかなか回復しないという場合には、歯科医院を受診しましょう。
インプラントに関する不安はティコニーデンタルオフィスへご相談ください
外科手術を伴うインプラントの治療には、不安を感じているという方も少なくありません。
しかし、手術後の適切な対処方法を知っていれば、大きなトラブルに繋がることはないでしょう。
インプラントを希望する方は、ティコニーデンタルオフィスへご相談ください。
当院では日本口腔インプラント学会の専修医である院長が、患者様に最適な治療方法をご提案します。
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