外科手術のような大掛かりな施術を必要としないホワイトニングは、歯科医療の中では比較的ハードルが低い治療方法だといえるでしょう。
黄ばんだ歯を白くする方法として人気のホワイトニングですが、その一方で「知覚過敏になる」という噂もあります。
ホワイトニングの施術を受けると、本当に知覚過敏になってしまうのでしょうか。
今回は、ホワイトニング施術のリスクについて解説します。
知覚過敏になるといわれる理由や症状が現れた場合の対処方法、症状を引き起こさないための予防方法もご紹介しますので、ぜひご一読ください。
知覚過敏とは?
冷たさや熱さ、甘さなどの刺激が歯に伝わった際に、一時的に痛みを感じる現象を「知覚過敏」といいます。
通常、歯はエナメル質に覆われているため、刺激を受けても痛みを感じることはありません。
しかし、何らかの理由によってエナメル質が薄くなったり、歯茎が下がって根元が露出したりすると、歯の内側にある象牙質が剝き出しになり、神経に刺激が伝わって痛みを感じやすくなります。
冷たい食べ物を口にしたり、ブラッシングを行ったりした際に、一時的に痛みを感じるという方は知覚過敏の可能性があるといえるでしょう。
むし歯の痛みと似ているため、知覚過敏か否か自分では判断できないという方は、歯科医院を受診してください。
ホワイトニングで知覚過敏になるといわれる原因
実際に施術を受けた方の中には、「ホワイトニングによって知覚過敏になった」という方もいます。
ホワイトニングの施術を受けると知覚過敏の症状が現れるのは、なぜなのでしょうか。
考えられる原因をいくつかご紹介します。
①ホワイトニング薬剤の濃度が高い
歯科医院では、漂白作用を持つ薬剤を使用して施術が行われます。
オフィスホワイトニングでは歯科医師や歯科衛生士が施術を行うことから、自身の手で行うホームホワイトニングと比較すると、薬剤の濃度が高いという特徴があります。
高いホワイトニング効果が期待できるという点は魅力ですが、歯に与えられる刺激も強くなるため、知覚過敏の症状が現れやすくなるという点には注意が必要です。
②むし歯がある
むし歯になった歯があると、細菌によって産出された酸がエナメル質を溶かし、象牙質が剥き出しとなってしまいます。
象牙細管を通して薬剤が神経を刺激すると、知覚過敏の症状が現れやすくなるのです。
ホワイトニングの施術を受けると痛みを感じやすくなるため、むし歯治療とホワイトニングの両方を希望する場合は、むし歯の治療が優先されるでしょう。
③歯周病を発症している
歯周病を発症していると、歯肉退縮(歯茎が下がる現象)が起こって、歯の根元が露出してしまいます。
歯を保護する役割を持たない歯の根元が露出すると、薬剤がしみて強い痛みを感じることがあります。
むし歯と同様に、象牙細管を通して神経に刺激が伝わることから、知覚過敏の症状が現れやすくなるのです。
④歯にヒビが入っている
健康な歯はエナメル質に覆われていますが、歯の表面にヒビが入っていると、薬剤が内部に浸透して歯の神経を刺激します。
歯自体は問題がないように見えるのに、ホワイトニングの施術を受けると痛みを感じるという方は、ヒビが入っている可能性があります。
歯に入ったヒビは肉眼では確認しにくいので、知覚過敏の症状が気になる場合は歯科医院へ相談してください。
⑤歯が削れている
入念にデンタルケアを行っていても、生活習慣や加齢によって歯が削れていきます。
特に、歯ぎしりや食いしばりを行う癖を持っている方は、歯の表面が削れて象牙質が露出しやすくなります。
ホワイトニング薬剤がしみて知覚過敏の症状が現れやすくなるので、歯ぎしりや食いしばりの改善を目指しましょう。
知覚過敏の症状はいつまで続く?
基本的にホワイトニングの施術が原因で知覚過敏の症状が現れた場合は、24時間程度で自然に治まります。
施術後48時間が経過しても痛みが治まらないという方は、歯科医院へ相談しましょう。
知覚過敏の症状は一時的なものですが、長時間痛みが続く、鎮痛剤を必要とするほど強い痛みがあるという場合には、知覚過敏以外の問題が発生している可能性があるので、早急に歯科医院へご相談ください。
知覚過敏の症状への対処方法
施術を受けた後に知覚過敏の症状が現れた場合は、どのような方法で対処すれば良いのでしょうか。
具体的な対処方法をいくつかご紹介します。
①刺激が弱い歯磨き粉を使用する
市販の歯磨き粉の中には、歯の神経に伝わる刺激を抑える作用が期待できる「硝酸カリウム」が配合されている製品があります。
知覚過敏用の歯磨き粉として販売されているケースが多いので、痛みが気になるという方は試してみてください。
「フッ素」が配合された歯磨き粉を使用すれば、エナメル質そのものを強化して、象牙質を保護する働きが期待できます。
②鎮痛剤を服用する
ホワイトニングの施術を受けた後に現れる知覚過敏の症状は、一過性であるケースがほとんどです。
しかし、我慢できないほどの強い痛みを感じる、痛みがなかなか引かないという場合には、鎮痛剤を服用しましょう。
自宅に普段から使用している市販の鎮痛剤があれば、飲み慣れている薬を使用します。
痛みが長く続く場合は知覚過敏が原因ではない可能性があるので、様子を見て歯科医院を受診してください。
③刺激の強い飲食物は避ける
ホワイトニングの施術を受けた後は、一時的に歯の表面を覆っているペリクルが剥がれた状態になります。
外部からの刺激に敏感になるので、ペリクルが自然に回復するまでの1~2日間は、冷たいものや熱いものは避けて飲食を行いましょう。
酸味の強い果物や甘い飲み物、辛い食べ物にも注意が必要です。
④歯科医院でコーティングしてもらう
知覚過敏の症状を抑えるためには、コーティングが有効です。
ホワイトニングの施術前に歯をコーティングすることで、薬剤の刺激が伝わりにくくなります。
歯を保護する効果を十分に引き出すためには複数回施術を受ける必要があるので、ホワイトニングを早く終わらせたいという方は、余裕を持って歯科医院を受診してください。
⑤マウスピースの装着時間を短くする
ホームホワイトニングでは高濃度の薬剤は使用しませんが、それでも知覚過敏の症状が現れることがあります。
薬剤が歯にしみて痛みが出た場合は、マウスピースの装着時間を短くすると良いでしょう。
毎日2~6時間マウスピースを装着しているという方は、1時間以内に留めると痛みを緩和できる可能性があります。
痛みが長く続く、1時間でも装着が難しいという方は、歯科医院へご相談ください。
知覚過敏の症状を予防する方法
ホワイトニングには歯を白くする効果が期待できますが、なるべく痛い思いはしたくないものです。
知覚過敏の症状を抑えるためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
最後に、知覚過敏の症状を予防する方法をご紹介します。
むし歯や歯周病の治療を優先する
ホワイトニングで少しでも痛みの発生を抑えたいという方は、施術を受ける前に、歯を健康な状態に整えておきましょう。
むし歯や歯周病があると、歯が外部からの刺激に弱くなり、薬剤を塗布した際に痛みを感じやすくなります。
口腔内にトラブルを抱えている場合は、ホワイトニングの施術を受ける前に、むし歯や歯周病の治療に専念することが大切です。
自身の歯の健康状態がわからないという方は、歯科医院を受診してチェックしてもらってください。
知覚過敏用の歯磨き粉を使用する
知覚過敏用の歯磨き粉を使用すると痛みを緩和できますが、痛みの予防にも有効です。
フッ素が含まれる歯磨き粉を使用すると、歯の表面を覆うエナメル質を強化できるため、薬剤を塗布しても痛みを感じにくくなります。
むし歯を予防する働きも期待できるので、ホワイトニング施術を受けると決めたら、知覚過敏用の歯磨き粉を使用すると良いでしょう。
薬剤の使用方法を守る
ホームホワイトニングで知覚過敏を予防したい場合は、薬剤の使用方法を守ることが大切です。
自己管理を求められるホームホワイトニングでは、薬剤を自身の裁量で使用できます。
早く効果を得たいからと勝手に薬剤の使用量を増やしたり、マウスピースの装着時間を延ばしたりすると、刺激が増して知覚過敏の症状が現れやすくなります。
ホームホワイトニングを行う場合は、歯科医院からの指導に従って、正しい方法で薬剤を使用するように心がけましょう。
ホワイトニングに関するご相談はティコニーデンタルオフィスへ
ホワイトニングに限らず、医療行為にはリスクが伴います。
施術を受ける前に正しい対処方法や予防方法を学んで、不安や疑問を解消しておきましょう。
ホワイトニング施術は、ティコニーデンタルオフィスへお任せください。
当院の院長が、患者様の歯の状態に合わせて最適な方法をご提案いたします。
具体的な施術方法を知りたい、施術の費用について知りたいなど、まずはお気軽にカウンセリングをご予約ください。
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