歯を失うと、同時に審美性や機能性も失われてしまいます。
失った歯の働きを補う方法にはいくつかあり、歯を根元から失った場合に適用される「インプラント」や、歯の根元が残っている場合に適用される「差し歯」が例として挙げられます。
今回は、どちらの治療を受けるか迷っているという方に向けて、それぞれの特徴をご紹介しましょう。
メリットやデメリット、治療の流れについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
インプラントと差し歯の違い
失った歯を補う治療方法としてインプラントと差し歯が注目されていますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの特徴を比較してみましょう。
①審美性
インプラントには、天然歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりが期待できますが、差し歯は経年劣化しやすいという特徴があります。
上部構造にセラミックのような高品質素材が採用されるインプラントは、色合いや形を天然歯に合わせて作ることができるため、美しい仕上がりになる上に経年劣化が起こりにくいというメリットがあります。
一方、差し歯はプラスチックのような安価な素材が採用されることが多く、経年劣化で黄ばみやすいという点はデメリットだといえるでしょう。
美しく長持ちする差し歯を目指したい場合には、セラミックのように品質の高い素材を選ぶことが大切です。
②治療費
自由診療となるインプラントに健康保険は適用されませんが、差し歯の治療には適用されます。
保険診療内であれば、自己負担額は治療費の3割程度となるため、差し歯1本あたり3千円~1万円程度で治療が可能です。
一方、インプラントは自由診療になるため、歯1本あたり30~40万円程度の費用がかかります。
差し歯でも、保険対象外となるセラミックのような高品質素材を選択すると費用が高額になることがあるので、治療費を安く抑えたいという方は、事前に歯科医師とよく相談しておきましょう。
③治療期間
インプラントの治療にかかる期間は6ヵ月~1年程度、差し歯の治療にかかる期間は数週間~2ヵ月程度です。
インプラントの治療には「1回法」と「2回法」の2種類あり、手術回数や患者様の状態によって治療期間は異なります。
カウンセリング・検査・手術・アフターケアの全てを行うと、少なくとも6回程度の通院が必要となるでしょう。
外科手術を必要としない差し歯の治療は、通院回数2~4回が目安となります。
早急に治療を終わらせたい、体への負担を軽減したいという場合には、差し歯を選択すると良いでしょう。
④寿命
人によって異なりますが、インプラントの寿命は10~15年程度、差し歯の寿命は7~10年程度が目安です。
顎の骨と結合してしっかりと固定されるインプラントは、天然歯と変わらない噛み心地を実現できます。
人工歯にジルコニアセラミックやメタルボンドのような丈夫な素材を選択すれば、10年程度は持つでしょう。
差し歯は選択する素材によって寿命が異なり、レジンのような安価な素材を選択すると、劣化が進みやすいという特徴があります。
長持ちさせたい場合はしっかりとメンテナンスを行い、数年ごとに交換する必要があります。
⑤メンテナンス
どちらの治療方法を選択しても、歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける必要があります。
基本的に寿命が長いインプラントですが、天然歯と同様に汚れが蓄積して「インプラント周囲炎」を発症するリスクがあるため、定期的に汚れを除去する必要があります。
また、痛みの有無や不具合、嚙み合わせや歯茎の状態など、インプラントを長持ちさせるためにも、総合的なチェックが必要です。
差し歯の場合も、天然歯(歯の根元)と差し歯の境に汚れが溜まりやすいため、定期的に歯垢や歯石といった汚れを除去しなければなりません。
汚れが蓄積すると、むし歯や歯周病を発症するリスクが高まってしまうので、歯科医院で健康状態をチェックしてもらいましょう。
インプラントのメリット・デメリット
近年注目を集めているインプラントですが、他の治療と同様に、メリットもあればデメリットもあります。
治療を選択する前に、メリットとデメリットについて正しく把握しておきましょう。
メリット
- ・天然歯と変わらない審美性・機能性を再現できる
- ・他の健康な歯を削る必要がない
- ・取り外して洗浄する手間がかからない
インプラントの最大のメリットは、美しく丈夫な歯を手に入れることができるという点です。
天然歯と変わらない見た目や機能性を再現できることから、会話や咀嚼の度にストレスを感じることがありません。
また、入れ歯やブリッジのように他の健康な歯を支えとしないため、残存歯の健康を害する心配がないという点も大きなメリットだといえるでしょう。
天然歯と同様に歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを用いてケアが行えるので、入れ歯のように取り外してメンテナンスを行う必要もありません。
デメリット
- ・健康保険が適用されないため治療費が高額
- ・治療期間が長い
- ・インプラント周囲炎を発症するリスクがある
メリットが多いインプラントですが、他の治療と同様にデメリットも存在します。
自由診療であるため、インプラントの治療は数十万円から数百万円もの費用がかかります。
また、治療には外科手術が必要となることから、治療期間が長く、身体的な負担が大きいという点もデメリットだといえるでしょう。
ケアを怠ると天然歯のように歯周病を発症するリスクがあるので、歯科医院でのメンテナンスに加えて、セルフケアを徹底する必要があります。
差し歯のメリット・デメリット
インプラントと同様に、差し歯にもメリットとデメリットが存在します。
差し歯の治療にはどのような魅力があり、どのようなリスクが潜んでいるのでしょうか。
詳しく解説します。
メリット
- ・健康保険が適用されるため治療費が安価
- ・治療期間が短い
- ・外科手術を必要としない
- ・他の健康な歯を削る必要がない
入れ歯やブリッジのように、他の健康な歯を削る必要がないという点はインプラントと同じですが、差し歯の場合は、さらに治療費が安価であるというメリットがあります。
また、インプラントのように外科手術を必要としないため、身体的な負担が少ないという点は大きなメリットだといえるでしょう。
ジルコニアセラミックのような素材を選択すれば、費用は高額となるものの、審美性や耐久性を向上させることが可能です。
デメリット
- ・天然歯と比較すると審美性・機能性に劣る
- ・被せ物が外れるリスクがある
- ・歯を完全に失った場合は適用できない
- ・素材によっては劣化が目立つ
歯の根元を土台とする差し歯は、インプラントと違って、歯を完全に失った場合は治療が適用できないというデメリットがあります。
また、レジンのような安価な素材を選択すると、経年劣化によって黄ばみが目立つという点もデメリットだといえるでしょう。
劣化が進むと、変色だけでなく脱落のリスクも高まります。
破損したり、外れたりすることがあるので、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けて、必要があれば交換も検討してください。
インプラントと差し歯の治療の流れ
最後に、インプラントと差し歯、それぞれの治療の流れをご紹介します。
実際に歯科医院で治療を開始する前に、全体の流れを把握しておきましょう。
インプラントの治療の流れ
- ①カウンセリング
- ②診断・精密検査
- ③人工歯根(インプラント)埋入手術
- ④人工歯根と歯槽骨(歯を支える骨)の結合を待つ
- ⑤アバットメント・上部構造(人工歯)の装着
- ⑥最終調整
- ⑦定期メンテナンス
インプラントの場合は、上記の流れで治療が行われます。
治療を希望していたとしても必ずしも適用できるとは限らないため、まずは精密検査で歯や顎の骨の状態を確認します。
問題がなければ外科手術を行い、数ヵ月という時間をかけて人工歯根と歯槽骨の結合を待つというのが基本的な流れです。
無事に結合が確認されれば、アバットメント・上部構造の装着と最終調整が行われ、定期メンテナンスに移行します。
差し歯の治療の流れ
- ①診断・精密検査
- ②むし歯の治療
- ③土台の形成
- ④被せ物の装着
- ⑤定期メンテナンス
差し歯の場合は、上記の流れで治療が行われます。
インプラントと同様に事前に精密検査を行い、問題がなければ土台の形成を行います。
差し歯は残った歯の根元を土台として使用するため、むし歯が見つかった場合は、むし歯の治療を優先しなければなりません。
治療が完了してから改めて土台の形成を行い、被せ物の装着を行います。
差し歯を健康な状態で維持するためにも、忘れずに定期メンテナンスを受けましょう。
歯を失った方はティコニーデンタルオフィスへご相談ください
歯を失うと、見た目が悪くなるという問題の他にも、食べ物を咀嚼しにくい、
発音がしにくいという問題にも直面します。 失った歯の働きを取り戻したいという方は、放置せずに歯科医院を受診しましょう。
インプラントをはじめとした治療を希望する方は、ティコニーデンタルオフィスへご相談ください。
当院では日本口腔インプラント学会の専修医である院長が、患者様に最適な治療方法をご提案します。
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