親知らずは抜いたほうがいい?
「親知らず=抜歯」というイメージがありますが、必ずしも抜かなければならないわけではありません。
どのような場合に抜歯を検討するのか、主な例をご紹介します。
親知らずを抜いたほうがいい場合
- 親知らずが少しだけ生えた状態で伸びるのが止まり、歯ブラシが届かない、食べ物が詰まりやすい
- 親知らずが隣の歯を押して、歯並びの乱れまたは炎症を起こしている
- 親知らずが粘膜や歯茎を傷つけている
- 親知らずや隣の歯が虫歯になっている
- 親知らずが原因で歯周病を起こしている
なぜ親知らずが痛くなるのか
たとえ親知らずそのものが虫歯になっていなくとも、隣の歯を押している、歯茎を圧迫しているといった場合には、親知らずが痛むことがあります。いずれも、親知らずの抜歯を検討すべきケースに該当します。
痛くない親知らずは抜かなくてもいい?
痛みがなくとも、炎症や顎の骨の吸収の原因が親知らずである場合、抜歯をした方がいいと言えるでしょう。 痛みの有無にかかわらず、一度は歯科医院で親知らずの状態を診てもらいましょう。
親知らずを抜く時の痛みや腫れについて
抜く時は痛くないことがほとんど
局所麻酔をしますので、抜歯時には通常痛みはありません。痛んだ場合も、麻酔を追加することができます。
抜歯後の痛み・腫れ
抜歯翌日から3日後にかけて痛み・腫れが現れ、その後徐々に軽減していきます。痛み止めを処方しますのでご安心ください。
また、お仕事などのご都合を考慮して抜歯日を選定しますので、お気軽にご相談ください。
親知らず抜歯の流れ
Step1各種検査・診査
口腔内診査、歯周ポケット検査、CT検査などを行い、抜歯の必要性の有無の判断、親知らずを安全に抜歯するための情報の収集を行います。
Step2抜歯
局所麻酔の上、抜歯します。表面麻酔や電動麻酔器、極細の針、人肌に温めた麻酔液を使用し、麻酔注射そのものの痛みもできる限り軽減します。
Step3消毒・抜糸
翌日にご来院いただき、消毒をします。縫合した場合には、10日~2週間後を目安にご来院の上抜糸します。
抜歯後は「ドライソケット」に注意!
抜歯後に痛みが続くのはドライソケットかもしれません
抜歯によってできた顎の骨の穴は、血液が溜まって組織化し、徐々に骨に変化していきます。ドライソケットは、この正常な反応が起こらずに、顎の骨の穴で炎症を起こしている状態であり、強く痛みます。
こんな症状は要注意
- 抜歯後、1週間以上たっても痛みが弱くならない
- 一度痛みがひいたのに、再度痛みが強くなった
- 痛みが軽減していくのではなく、強くなっていく
なぜドライソケットになるの?
抜歯後の激しいうがい、歯ブラシや舌や指での刺激によって血餅(血液の塊)が取れ、ドライソケットの原因になることがあります。
また同様に、喫煙や飲酒もドライソケットを引き起こす要因になります。できれば1週間程度は控えてください。
ドライソケットはすぐ治る?
まずは処方した痛み止めを飲んでください。その上で、抜歯した歯科医院を受診します。
当院であれば、炎症を抑える効果、鎮痛効果のあるお薬を使用して対処いたします。
親知らず抜歯のQ&A
同時に何本か抜いてもらいたいのですが。
片側の上下の親知らずを一度に抜くケースはありますが、4本を同時に、上2本を同時に、下2本を同時に、ということは基本的にいたしません。食事が難しくなったり、お身体への負担が大きくなったりするためです。
親知らずの抜歯前に気を付けておくことはありますか?
前日から体調を整え、早めに就寝してください。また、丁寧なセルフケアによってお口をきれいにしておくと、抜歯後の腫れをいくらか軽減できます。
抜歯前の食事に特に制限はありませんが、食べ過ぎないように注意しましょう。その他、高血圧の方はそのお薬を服用してきた上で受診するようにしてください。
血液をサラサラにする薬を飲んでいますが、抜歯できますか?
抜歯時、抜歯後の出血がひどくなるおそれがあります。場合によっては、主治医の先生と連絡をとった上で、血液をサラサラにするお薬の服用を一時的に中止することがあります。
親知らずを抜かなくていい場合もあるのですか?
正しく生えており、口腔や身体に悪影響がない場合は、抜歯の必要はありません。
親知らずの抜歯はどれくらいの費用がかかりますか?
親知らずの状態によっても異なりますが、3割負担の方で3,000~7,000円ほどです。
ただし、CTなど各種検査を行った場合は別途費用がかかります。